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ホームケア

歯を残そう!歯の数と認知機能の関連

歯がないとどんな影響があるでしょうか?「歯がなかったことがないから実感することがない」という人がほとんどでしょう。しかしなくなってから実感したのでは遅いのです。2014年に発表された歯の数と認知機能に関する論文があります。記憶力や運動機能が歯と関係あるなんて考えもしなかったことですよね。論文の内容をご紹介します。

歯を失うと起こる事

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これはユニバーシティカレッジロンドンで免疫学や公衆衛生学を専門としているTsakos博士が行った実験です。イギリスの無歯顎の高齢者を10年間に渡って身体的及び認知機能の低下について調べました。60歳以上の人が対象です。被験者は3166人にものぼります。

認知力を調べる実験では、まず10個の単語を覚えてもらいます。それをすぐ思い出せるかテストします。10分後に再度覚えているか確認されることを知らせずに、再び同じ単語をどのくらい覚えていたかテストしていきます。運動能力に関しては、2.4メートルの距離を2回歩いてもらいます。その中で歩行スピードを計算するというものです。

被験者の歯の状態と健康状態、健康的な習慣や精神状態などを考慮したうえで分析が行われました。実験内容は非常にシンプルで簡単なものですが、それでも大きな差が出てきました。自分の歯が残っている人と全ての歯を失ってしまった人の身体機能は10%以上も差が出てしまったというものです。

もちろんトシをとると共に身体機能は低下していきます。しかし様々な個人的な要因を考慮していても、歯を失っている人は、そうでない人と比べて覚えている単語の数は少なく、歩くスピードが遅かったのです。経済的な地位に関わらず、身体機能の低下を招くことを意味しています。社会的な地位がある人ほど口腔環境が良いというのは昔から言われていることですが、これを踏襲する形となりました。

年齢別で見ると、60歳以上74歳以下の被験者は10年後の肉体や精神の衰えが関わるとされていますが、75歳以上の被験者には歯をすべて失っていても身体機能の低下はそこまで顕著ではなかったようです。60歳代で歯をたくさん失っていなければ日常生活に困るほど身体機能も認知機能も低下を避けられるようです。日本で行われた8020運動は大変目標が高いことが分かります。

今すぐできる将来の自分への予防法

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この論文が最初に公開されたのは2014年2月19日。3年前にはすでに明らかになっていたことになります。日本も最近では最先端医療に歯科も入っており、歯についての研究は盛んに進められています。しかし歯を残すというシンプルなことを目標にしている一般市民はどのくらいいるでしょうか?

日本は歯科後進国と言われています。口腔内の健康に関しての意識が低いのです。経済国として豊かなほうであるのに、以前から言われていた「経済的に豊かで余裕がないと口腔環境の向上は難しい」という説からは少し離れてしまいます。

この実験では「歯を失うということは、どんな人でもその後の人生で悪影響があり、身体機能や認知機能を低下させる大きな因子となる」ことが分かりました。噛めないということは顎の筋肉が衰えます。噛むという安定がないため、全身に力が入りません。よって力を瞬間的に入れる運動などが出来なくなります。スポーツ選手が噛み合わせや虫歯のケアをするのはそのためです。

運動機能に関わるという事は、「危険な状態になった時に避けられない」ばかりか「危険のない場所で転倒して怪我をする」ことにも関係してきます。動かなくなると身体は一気に衰えます。怪我で入院すると著しく衰えるのは目に見えています。

そして、噛めなくなると脳への刺激が減ると言われています。噛むという運動や力が脳への良い影響をもたらしているのです。普段噛む事が当たり前の状況ではこれは分からないことですね。しかし噛まずに飲み込むようになると著しく脳が衰えると言われます。噛んで硬さを感じたり、様々な味覚を感じたりすることも脳への確かな刺激になっているのです。

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噛めるということが大事なのは分かりました。では今出来ることはどういったことなのでしょうか?もちろん歯科医院で定期的なケアを行うのが一番なのは言うまでもありません。それ以外にも、歯科医院でのケアで指導された方法を日常生活に取り込むことが大切です。口腔ケアは歯科医院任せでは絶対に保てません。日常生活でいかにケアできるかにかかっています。

それ以外には、小さなことで予防出来ると知る事です。たとえばキシリトール入りや砂糖が入っていないのガムを10分噛むだけで1億個の口内細菌が除去できるという研究があります。こういった普段何度も出来て費用があまりかからないことで予防できれば最高ではないでしょうか。

口腔環境の悪化は、全身的な病気を招く原因になります。脳卒中や脳梗塞、血液疾患の原因が歯周病菌であることは明白な事実です。老後快適に過ごすためも大切ですが、口腔環境の向上は中年期に健康でいるためでも必要ですし、若齢であっても血液疾患を防ぐために必要なのです。

まずは歯科医院を身近なものにしましょう。予防のために行っても良い医療機関なのです。症状が出る前に行きましょう。そして身近なものを利用して「歯にいいこと」をしましょう。機能的な歯ブラシを使ったり、ガムを使うのも効果的です。歯の為に何が出来るのか?何が得られるか?自分から知っていくことが大切です。

参考:Wiley Online Library:高齢者の歯の損失による身体的及び認知衰退への関連
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgs.13190/abstract

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