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震災で起こる思いがけない被害とは

震災といえば熊本や東北を思い出す人が多いかもしれません。近年の度重なる大震災には「明日は我が身」という恐怖が誰の心にも刻まれてしまう事となりました。実際に被災した人も大変多くいることでしょう。そんな数々の震災の歴史の中で、阪神淡路大震災での出来事をご紹介します。ある歯科医師のブログを引用しながら、子供の避難生活を考えます。

歯科医師が見た震災の爪痕

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「歯のページ」には歯に関する様々な情報がたくさん紹介されており、大変ためになる歯のあれこれが掲載されています。その中に「ドクター岡崎のおもしろ歯学」というコーナーがあります。岡崎歯科医師が書かれた分かりやすい歯の情報が掲載されているのですが、その中に書かれた文章を引用しながらご紹介します。

さて、数ヶ月後の岡山でのこと。
被災で家屋を失い、転居されてきたある母親が、三歳の子どもを連れてこられた。
診れば口の中はむし歯だらけ。
ところが、数ヶ月前に歯科健診を受けたときは、一本のむし歯もなかったそうだ。
どうして短期間にこれだけのむし歯ができたのか?

これは岡崎歯科医師が阪神淡路大震災の時に大学からの要請で被災地に派遣され、その数か月後の話のようです。被災地への派遣要請も無事済んで、岡崎歯科医師は自分の医院で普段通りの生活に戻り、患者さんの診察を再開していました。

子供を連れた母親がやってきました。なんと虫歯の数は14本!子供の年齢が3歳であると文中には書かれていましたが、治療後の写真を見るに、おそらく6歳くらいの間違いでしょう。それにしても驚異の数です。子供だけで普段歯磨きをしていてもこんなにはなりません。さてどうしてなのでしょうか?

その理由は、避難所での食生活にあった。
避難所では、子どもが泣くと心にもない言葉が飛んでくる。
しかたなく、泣かさないように、お菓子ばかり与えていたのである。
救援物資のあり方も考える必要がありそうだ。

これが答えです。被災中は正しい食生活が送れません。歯みがきもまともに出来ません。自宅ではなく避難所にいるのならばなおさらです。しかしそんな中でもお菓子は重要な食品です。お菓子があることで安らぎや穏やかさを取り戻し、ストレスを軽減させる効果があるからです。

そしてこの時の様に、子供を泣かさないためにお菓子を食べさせることも有ります。お菓子はこのような被災地ではぜいたく品のようなイメージがありますが、それゆえに被災地外から支援として送る人も多く、送りやすいような包装で賞味期限も長いものが多いのです。このような条件が巡り巡って虫歯を生んだのでしょう。

お菓子がもたらす数か月後の虫歯

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しかしけっしてお菓子が悪者なのではありません。先にも述べたように、やはりお菓子は精神の安定に重要な役割を果たします。そして高カロリーであれば食事の代わりとしても摂ることができます。

子供に与えたお菓子が後にこのような結果を生むことになると分かっていても、与え続けたかもしれません。なぜなら、お菓子を与える事で精神的な安定を得ていたのは、お菓子を食べた子供だけではなく、与える母親もだからです。母親は文章の感じから察するに、心ない言葉がいつ自分に降りかかってくるかいつも気にして避難所にいたのが想像できます。そんなストレスで24時間毎日苦しみながらいれば、お菓子を与えて子供を黙らせた方が健康を害するよりも良かったのでしょう。何よりそこまで考えられないのです。

避難所での問題

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避難所での問題は、岡崎歯科医師が指摘する通り、救援物資の偏りが健康被害を生むということ。もう一つは子供がいる環境が当たり前でしょうがないにも関わらず、心無い言葉が容赦なく浴びせられることです。この様な環境は誰にとってもストレスです。しょうがないと言えばそれまでですが、子供は悪ではありません。冷静になれない環境に身を置いているから分からないだけです。

ストレスは唾液を減少させ、唾液の自浄作用を受けられない口腔環境にしてしまいます。母親にも虫歯や歯周病の悪化がみられたのではないでしょうか。そこまで記載はありませんが、そんなこと言ってられない状況が生んだ二次災害のように感じられます。

子供に起こる震災の影響は様々ですが、歯のケアはもちろん大切です。そして食生活もです。酸に晒される時間が長く続くことによる虫歯や歯肉炎も重要ですが、このケースは糖分の過剰摂取によるものです。虫歯は「何度も甘いものを食べる」ことよりも「回数に関わらず糖分を大量に摂取すること」で起こります。たとえ一回であってもたくさんの糖分を摂れば虫歯になり得るのです。しっかり歯磨きするのも大事ですが、糖分量を控える事も大事な虫歯予防の一つと言えます。

子供は不安であればよけいに大人の真似をしようとします。母親が口腔ケアに気を使っていて、それがさらに楽しそうで当たり前のようにされていれば、子供も安心して真似してくれるかもしれません。母親の影響は偉大です。子供のためにも、まずは母親から始めてみましょう。

そして避難中のこのような悪影響を避けるためにも、ぜひデンタルリンスや液体歯磨きを備えの中に入れて下さい。子供でも使えるものもあります。子供が楽しくなるようなケアグッズを持っているのも、虫歯という二次被害を避ける強みといえそうですね。
参考サイトは「歯の健康と美容に関する総合情報サイト 歯のページ」内にある「Dr.岡崎のおもしろ歯学」の「No.22. 震災に学ぶ歯の話」です。http://www.teeth.co.jp/shigaku/article/08072127000076.html

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