あなたは食べ物や飲み物が歯とどのような関係があるのかご存じでしょうか?歯みがきすればみんな一緒、虫歯になるかならないかの差はない、こう思っている人も多いのでは?実は食べ物には酸性やアルカリ性といったPH(ペーハー)の性質があるのです。普段なかなか意識しない飲み物と歯の関係についてご紹介します。
お口の中のPHとは?
PHとは、最小の1に近くなるほど酸性に、最大値である14に近くなるほどアルカリ性となります。真ん中の7が中性で、唾液には中性であろうとする中和作用があります。この酸性アルカリ性というものを、身体全体ではなく歯の環境においてのみ見ていきます。
そもそも、口内環境に良いPH、危ないPHはあるのでしょうか?そして酸性とアルカリ性どちらが良いということが言えるのでしょうか?まず歯はその性質上PH5.5で溶け始めてしまいます。酸性が強ければ強いほど歯を溶かします。溶けないように唾液がお口の中の酸性を中和して、中性に戻そうとする働きをします。これを唾液の中和作用と言います。唾液がなければ酸によって歯がすぐダメージを受けてしまうのですね。
酸っぱいものは酸性?
酸性というと「酸っぱいもの」というイメージがありますね。レモンや梅干しのようなものは酸性というイメージがあります。それから酸という名前であれば酸性のような感じもあります。炭酸水がそうですね。しかしレモンと梅干は強酸性の部類ではありますが、炭酸飲料のPHは5であり、他の二つよりも中性に近いのです。
しかし、たとえ酸っぱくなくても、身体に良いイメージであっても酸性である飲み物はたくさんあります。ポリフェノールが含まれて抗酸化作用が期待される赤ワインは、PHが2.63です。ドリンク酢はPH3、スポーツドリンクはPH3.5くらいです。苦いコーヒーであってもPHは5です。酸っぱいかどうか?ということでは一概に言えないようですね。
ペーハー表を見てみよう
(http://tooth-health.happy.nu/ph.html#5より)
食べ物や飲み物の酸性アルカリ性をグラフにした表です。コーラや白ワインなど、ハマっている人が多くいる飲み物に酸性の物が多いようですね。果物のジュースであっても、やはり果物の酸味がありますのでPH4という酸性の値になっています。体に良いとされるヨーグルトであっても数字だけ見れば歯を溶かしてしまう可能性が十分にある値となっています。これは意外かもしれません。ご飯であっても歯を溶かすのです。
では中性の食べ物や飲み物はどんなものがあるのでしょう。この中性あたりからアルカリ性に寄るに従って、食品の数がグンと減ります。それくらいほとんどの食品が酸性なのです。中性の食品は、牛乳や水です。他には難しいでしょう。水は見た目の成分もクリアで、ミネラルウォーターであればミネラルの配合により少し酸性に傾きます。牛乳は中性なのは意外かもしれません。しかし我々の唾液も中性です。身体の中の水分という点では同じかもしれませんね。
ちなみに水には特殊な性質があり、沸騰させるとPHが上がります。色々な水のPHは以下のとおりです。
日本の自然水 pH= 5~9
酸性雨 pH= 5.6 以下
ミネラル水 pH= 6
水道水 pH= 6.7~8.3(平均7.6)
純水 pH= 7
塩水 pH= 7~9
沸騰水 pH= 8.3~9.2
海水 pH= 8.4
アルカリイオン水 pH= 9~10
(http://tooth-health.happy.nu/ph.html#5より)
昔から人体への影響が懸念されてきた酸性雨は、歯も溶かしてしまうほど酸性のようですね。
飲み物で気を付ける事は?
飲み物には様々な種類があり、人の好き嫌いも様々です。毎日お酢を飲む人もいますし、水しか飲まない人もいます。PHだけで言うならば、水の他、緑茶、ウーロン茶、煎茶などのお茶が歯にとって安全な飲み物のようですね。ちなみに紅茶は緑茶と同じ茶葉でありながら、ストレートティーでもPHは4.9となりグンと値が下がってしまいます。
レモンティーはさらに下がってPH3.9、砂糖なしのミルクティーでやっと安全圏のPH6.5となります。同じお茶でも全然違ってしまうのですね。このことからハーブティーはさらにPHが下回ることが予想されます。成分が多種多様なハーブティーですが、特にローズヒップやレモンなどの酸味が強いハーブには注意した方が良さそうです。
酸性の食品を飲食したら
酸性の食べ物や飲み物を飲んだり食べたりすることがほとんどかと思います。しかし歯にとっては過酷な環境ですね。そこで、唾液に中和してもらいましょう。唾液がたくさん出ると中和作用が高まります。唾液をたくさん出す食べ物の中に梅干しがあります。梅干しは酸性でありながら、実はお口の中でアルカリ性へと変化するのです!これは不思議ですね。
この梅干しを食事の最後に食べてみましょう。梅干し作用で唾液もたくさん分泌されます。仕上げにお茶を飲んで、お口の中をすっきりさせます。安全とはいえ早めに歯磨きをしてプラークが溜まらないようにするのが一番です。
炭酸や果物などのジュースばかりでなく、合間にガムなどを噛んで、お口の環境を整えてあげましょう。今日の食事から出来る方法です。そして毎日食べるもののPHを意識しながら食事してみてはいかがでしょうか。
この記事はhttp://tooth-health.happy.nu/ph.html#5を参考にまとめています。